京都府感染症情報センターより

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第20週:5月15~21日) No.260

 

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点当たり8.27件と先週にくらべ増加しています。手足口病は定点あたり2.43件、京都市では3.33件とやや増加し、京都市内の南区、右京区、伏見区では今週も警報レベルが継続しています。

流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。

全数報告対象の感染症は結核が6件、急性脳炎と侵襲性インフルエンザ菌感染症がそれぞれ 1件、梅毒が3件報告されました。また、基幹定点から報告としてマイコプラズマ肺炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が6件、眼科定点からは流行性角結膜炎が4件報告されています。

侵襲性インフルエンザ菌感染症はグラム陰性短桿菌であるインフルエンザ菌が血液や髄液から検出される感染症です。インフルエンザ菌は幼児と高齢者に多くみられますが、小児では保菌率が高く、髄膜炎、敗血症、中耳炎、副鼻腔炎等の原因となることが知られています。我が国では2008年12月にHibワクチンの任意接種がはじまり、2013年4月の予防接種法改正に伴い、定期接種の一つとなっています。Hibワクチンが定期接種となってから、侵襲性インフルエンザ感染症(主に髄膜炎)は減少傾向にあります。

小児だけでなく成人、とくに高齢者でも高リスクの方はワクチン接種を行い重症肺炎の予防を行うことが必要です。

 

Hibワクチンについてhttp://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule.html

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレスhttp://www.pref.kyoto.jp/idsc/