京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第36週:9月4日~10日) No.276

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎が定点あたり3.14件、RSウイルス感染症が2.32件と先週から増加しています。手足口病は定点あたり1.49件と増加し、今週も京都市伏見区のみ警報レベルが続いています。また、南丹において咽頭結膜熱が定点あたり5.20件と警報レベルとなっています。流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、流行性角結膜炎の発生数は大きく変化はありません。

全数報告対象の感染症は結核が7件、デング熱とレジオネラ症がそれぞれ1件、カルバベネム耐性腸内細菌感染症、 後天性免疫不全症候群、侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ 1件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が12件報告されました。

全国から腸管出血性大腸菌O-157による食中毒、死亡例の報告がありました。腸管出血性大腸菌は75℃以上、1分間以上の加熱で死滅するので、十分な加熱は有効な予防方法になります。しかし、様々な食品や食材から菌が見つかっていることから、食中毒予防の3原則:①つけない(調理前には必ず手洗い)、②ふやさない(生鮮食品はすぐに冷蔵庫へ)、③やっつける(食材を中心までよく加熱)を常に実施し、腸管出血性大腸菌の感染を予防しましょう。

また、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性腸炎と比べ、溶血性尿毒症症候群(HUS)などにより重症化するリスクが高いため十分注意し、血便などが認められた際は医療機関を受診してください。

 

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