京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第41週:10月9日~15日) No.281

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点あたり2.82件と先週から減少していますが、京都市左京区では定点あたり17.5件と警報レベルが持続しています。

RSウイルス感染症は1.29件とやや低下、手足口病、流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナの発生数に大きな変化はありません。

全数報告対象の感染症は、結核が17件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、E型肝炎が1件、レジオネラ症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒がそれぞれ1件報告されました。また、眼科定点から流行性角結膜炎が5件報告されました。

E型肝炎は経口感染をおこす肝炎ウイルスです。A型肝炎も同様に経口感染しますが、致死率はE型肝炎が約10倍高く、特に妊婦が感染するとそのリスクは高まります。日本人のE型肝炎ウイルスに対する抗体保有者は約5%とされ、特に若年者はほとんどもっていません。

潜伏期間は約6週間程度あり、その後急性肝炎を起こします。E型肝炎の特徴の一つとして、妊婦で劇症肝炎の割合が高く、致死率が20%にも達することがあるので特に注意が必要です。

日本での感染の原因はジビエ(フランス語:狩猟によって食材として捕獲された野生の鳥獣の狩猟肉で、畜産との対比として使われることが多い)料理などの摂取がほとんどです。豚、シカ、イノシシなどの野生動物は生食をせず、中心部まで火が通ったものを食べるようにしてください。

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

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