京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第6週:2月5日~2月11日) No.298
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
インフルエンザの報告数は今週に入り、5週ぶりに減少しました。しかし、定点あたり42.67件と依然感染者数は多く、中丹西の59.40件をはじめとして流行は未だおさまっていません。インフルエンザA型、もしくはB型に感染しても、もう一方には再度感染する可能性がありますので、引き続き予防対策に努めてください。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は4.19件と横ばいです。
全数報告対象の感染症は結核が6件、ウイルス性肝炎・カルバペネム耐性腸内細菌感染症・梅毒と百日咳がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。
また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が1件、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が11件報告されました。
今週、百日咳の報告がありました。百日咳はけいれんを伴うような咳発作を来す疾患であり、特に生後6か月未満の乳児では重症化して肺炎や脳炎を起こしたり、死に至る危険性もあります。百日咳にはワクチンが有効であり、現在定期接種の対象となっています。ワクチンにより乳幼児の感染は減少しましたが、ワクチンの抗体価は接種後に徐々に低下していくことがわかっています。
そのため最近では成人の百日咳患者が増えてきています。2010年には成人において百日咳が大流行し、患者全体の50%以上が15歳以上という結果でした。その後も乳幼児に比べ成人の感染が多い状況が続いています。百日咳は抗生物質の内服により治療が可能ですが、大人では症状が軽く気づかないことが多いとされています。
大人が感染源となり、ワクチン接種前の乳児に二次感染する可能性がありますので、子供と接する機会の多い家族の方は咳が続く際は医療機関を早めに受診してください。
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