京都府感染症情報センターからのコメント
(2019年第41週:令和元年10月7日~令和元年10月13日)No.383
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生
感染性胃腸炎は、定点あたり2.68件と増加しています。RSウイルス感染症は、定点あたり1.26件、インフルエンザは、定点あたり0.89件報告がありました。伝染性紅斑は、京都市伏見区で警報レベルとなっています。水痘が山城南、京都市伏見区で警報レベルとなっています。水痘は、京都市南区で注意報レベルとなっています。その他の感染症に大きな変化はありません。全数報告対象の感染症は、結核が6件、A型肝炎、侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、百日咳が2件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が5件報告されました。
A型肝炎は、A型肝炎ウイルスに感染して肝炎を発症する疾患です。水と衛生の整備が不十分な開発途上国で、汚染された食物や水、氷などの経口摂取、あるいはヒト-ヒト間の接触感染(糞口感染、性的接触)によって引き起こされます。国内では、カキやアサリなどの二枚貝を含む魚介類を食することによる食中毒の事例も多く見られます。比較的長い2~7週間の潜伏期間ののち、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐などの症状を起こしますが、非特異的なものがほとんどです。治療法は安静や対症療法が中心で、慢性化することはなく1~2カ月の経過で回復しますが、劇症化して死亡する事例もありますので、カキの生食などにはリスクが伴います。
食中毒の観点からは、排便後、調理前、食事前の手洗いが重要です。またA型肝炎は予防可能な感染症ですので、海外渡航時は事前にワクチンを接種しておくことも大切です。
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