京都府感染症情報センターからの最新情報

京都府感染症情報センターからの最新情報

(2024年第14週:令和6年4月1日~令和6年4月7日)No.614

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

今週のコメント:2024年第14週の報告です。

インフルエンザの全国の定点当り報告数が5.1になり、終息基準値の10を下回りました。また、警報レベルが継続していた山城北の咽頭結膜熱も定点当り報告数が0.8まで減少し、終息基準値の1より少ない数値になりました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の京都市右京区での定点当り報告数は4.6で、今週も警報レベルです。

全数報告対象の感染症は、結核が6件、アメーバ赤痢症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症(CRE)が各1件、 侵襲性肺炎球菌感染症梅毒 が 各2件 、また、基幹定点の報告として無菌性髄膜炎が1件報告されました。

CRE感染症は、グラム陰性菌による感染症の治療において重要な抗菌薬であるメロペネムなどのカルバペネム系抗菌薬等に対して耐性を示す腸内細菌科細菌による感染症の総称です。主に感染防御機能の低下した患者や外科手術後の患者、抗菌薬を長期にわたって使用している患者などに感染症を起こします。肺炎などの呼吸器感染症、尿路感染症、敗血症、髄膜炎、その他多様な感染症を起こし、しばしば院内感染の原因となるほか時に健常者に感染症を起こすこともあります。また無症状で腸管等に保菌されることもあります。

CRE感染症は薬剤耐性微生物による感染症の一つで2014年9月19日より5類全数把握疾患に追加され、発症者のみが届出対象となっています。特定の種類の抗菌薬や抗ウイルス薬等の抗微生物剤が効きにくくなる、又は効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR)」と呼びます。こうした耐性を持った細菌やウィルスが増えると、従来の薬が効かなくなることから、これまでは軽症で回復できた感染症の治療が困難になり重症化・死亡に至る可能性が高まります。AMRの発生を防ぐためには、医療機関における抗菌薬の適切な使用とそのサーベイランスを含めた感染予防・管理が重要です。また、世界保健機関もAMRを深刻な健康上の脅威として取り上げており、我が国でもまん延防止に向けた取り組みが進められています。

 

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/