京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第39週:9月25日~10月1日) No.279

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

今週は府内で警報レベルの疾患はありません。

感染性胃腸炎が定点あたり3.34件、RSウイルス感染症が2.00件とともに先週からやや増加しています。

手足口病、流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

全数報告対象の感染症は結核が12件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、レプトスピラ症が1件、レジオネラ症が1件 、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が1件、梅毒が3件報告されました。また、眼科定点から流行性角結膜炎が6件報告されました。

ワイル病の名前で知られるレプトスピラ症はスピロヘータという細菌の感染症の一種です。ドブネズミなどの保菌動物の尿に汚染された水や土壌から経皮的、経口的に感染します。近年でも沖縄県などで散発的な発生がみられ、特に河川など水辺のレジャーに従事する人の間での感染が増加しています。また、海外では中南米や東南アジアの熱帯、亜熱帯の国々で流行がみられており、輸入感染症としても注意が必要です。

感染すると5~14日間の潜伏期を経て、発熱、悪寒、頭痛、筋痛、腹痛、結膜充血などが生じ、第4~6病日に黄疸や出血傾向がみられます。水辺での活動歴があり、発熱、肝機能異常、腎機能異常を認めた場合はレプトスピラ症を疑い適切な治療を行ってください。

 

京都府感染症情報センターホームページのアドレス

http://www.pref.kyoto.jp/idsc/