京都府感染症情報センターからの最新情報
(2025年第2週:令和7年1月6日~令和7年1月12日)No.654
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2025年第2週の報告です。
定点報告対象の疾患は、年末から年始のやすみが明けほとんどすべてで報告数が増えました。インフルエンザは全国で35.02・京都府で31.85件報告され、流行発生警報レベルが継続しています。京都府内の保健所別でも京都市北区・下京区・伏見区が注意報レベル、それ以外の全域で警報レベルとなっています。
今週新たにA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と伝染性紅斑が京都市右京区で警報レベルに、水痘が京都市左京区と乙訓で注意報レベルになりました。眼科定点の流行性角結膜炎は4件、基幹定点のマイコプラズマ肺炎は10件が報告されました。
全数報告対象疾患は結核が9件、アメーバ赤痢とカルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が5件、梅毒が2件、百日咳が4件報告されました。
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
カテゴリー: 京都府感染症情報センターの情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2025年第3週:令和7年1月13日~令和7年1月19日)No.655
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2025年第3週の報告です。 定点報告対象の疾患は、インフルエンザの流行発生警報レベルが全国・京都府とも継続しています。保健所別では、京都市上京区・中京区の発生報告数が警報レベルの継続基準値を、北区・下京区では注意報発生基準値を下回りました。
伝染性紅斑は京都市右京区で警報レベルが継続しているほか、京都市南区・西京区・乙訓が新たに警報レベルになりました。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の警報レベルは京都市右京区で継続しています。
基幹定点はマイコプラズマ肺炎が12件(2024年の同時期をなお上回っています)とクラミジア肺炎が1件報告され、眼科定点は流行性角結膜炎が10件報告されました。
全数報告対象疾患は結核・侵襲性インフルエンザ菌感染症と百日咳がそれぞれ4件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、梅毒が1件報告されました。
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
詳細は、下記のリンクをご覧ください。
2025年第3週:令和7年1月13日~令和7年1月19日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.655
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第50週:令和6年12月9日~令和6年12月15日)No.650
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第50週の報告です。 インフルエンザがますます増加、定点当りの報告数が全国は19.06・京都府は15.34と流行発生注意報の基準値を超えました。京都府内の保健所別では京都市南区が32.17、中丹西が32.00にまで増加し警報レベルになりました。そのほかの保健所でも定点当り報告数が注意報基準値を超えたところが多く出ました。山城北の咽頭結膜熱・京都市右京区のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎は今週も警報レベルです。眼科定点は流行性角結膜炎が11件、基幹定点はマイコプラズマ肺炎が18件とクラミジア肺炎が1件の報告がありました。
全数報告対象の疾患では2類の結核が7件、4類のレジオネラ症が3件、5類はアメーバ赤痢・急性脳炎・後天性免疫不全症候群(HIV感染症を含む)と梅毒がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、百日咳が6件の報告がありました。 インフルエンザが注意報レベルとなりました。飛沫感染対策につとめ、咳やくしゃみが出る場合はマスクを含めた咳エチケットをお願いします。室内は適度な湿度を保ちつつこまめに換気をしましょう。体調不良を自覚した場合は人ごみへの不要不急の外出は避け、学校や職場への登校・出勤も可能な範囲で控えましょう。年末にかけて更なる感染拡大が想定されます。ワクチン接種を予定している方は早めに打ちましょう。65歳以上の方などは定期接種の対象となっています。
また2歳以上19歳未満の方には、今シーズンより新たに経鼻ワクチンの接種が開始されています。このワクチンは、弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻粘膜に噴霧することで、インフルエンザに対する免疫を獲得することが期待されています。経鼻ワクチンは針を使用しないため、接種時の痛みを軽減できる点が特徴です。ただし、持病のある方など、一部の方には従来の不活化ワクチン(皮下注射)が推奨される場合がありますので、かかりつけの小児科等でご相談ください。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンについて
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/430574_631370AR1026_1_00G.pdf
(出典:独立行政法人医療品医療機器総合機構ホームページ)
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
詳細は→2024年第50週:令和6年12月9日~令和6年12月15日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.650
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第50週:令和6年12月9日~令和6年12月15日)No.650
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第50週の報告です。 インフルエンザがますます増加、定点当りの報告数が全国は19.06・京都府は15.34と流行発生注意報の基準値を超えました。京都府内の保健所別では京都市南区が32.17、中丹西が32.00にまで増加し警報レベルになりました。そのほかの保健所でも定点当り報告数が注意報基準値を超えたところが多く出ました。山城北の咽頭結膜熱・京都市右京区のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎は今週も警報レベルです。眼科定点は流行性角結膜炎が11件、基幹定点はマイコプラズマ肺炎が18件とクラミジア肺炎が1件の報告がありました。
全数報告対象の疾患では2類の結核が7件、4類のレジオネラ症が3件、5類はアメーバ赤痢・急性脳炎・後天性免疫不全症候群(HIV感染症を含む)と梅毒がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、百日咳が6件の報告がありました。 インフルエンザが注意報レベルとなりました。飛沫感染対策につとめ、咳やくしゃみが出る場合はマスクを含めた咳エチケットをお願いします。室内は適度な湿度を保ちつつこまめに換気をしましょう。体調不良を自覚した場合は人ごみへの不要不急の外出は避け、学校や職場への登校・出勤も可能な範囲で控えましょう。年末にかけて更なる感染拡大が想定されます。ワクチン接種を予定している方は早めに打ちましょう。65歳以上の方などは定期接種の対象となっています。
また2歳以上19歳未満の方には、今シーズンより新たに経鼻ワクチンの接種が開始されています。このワクチンは、弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻粘膜に噴霧することで、インフルエンザに対する免疫を獲得することが期待されています。経鼻ワクチンは針を使用しないため、接種時の痛みを軽減できる点が特徴です。ただし、持病のある方など、一部の方には従来の不活化ワクチン(皮下注射)が推奨される場合がありますので、かかりつけの小児科等でご相談ください。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンについて
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/430574_631370AR1026_1_00G.pdf
(出典:独立行政法人医療品医療機器総合機構ホームページ)
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
詳細は→2024年第50週:令和6年12月9日~令和6年12月15日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.650
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第48週:令和6年11月25日~令和6年12月1日)No.648
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第48週の報告です。
インフルエンザの定点当りの報告数が急増し、前週の1.99から3.99になりました。手足口病の京都府の報告数は1.39に減少し、警報継続基準値の2.00より下回りました。山城北では咽頭結膜熱の警報レベルが継続中、京都市右京区ではA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点当りの報告数が9.60に増え、今週新たな警報レベルとなりました。そのほか、眼科定点は流行性角結膜炎が6件、基幹定点はマイコプラズマ肺炎が16件と感染性胃腸炎(ロタウイルス)が1件の報告がありました。
全数報告対象の感染症は、2類の結核が7件、3類の腸管出血性大腸菌感染症が1件、4類のレジオネラ症が2件、5類のアメーバ赤痢・カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症・侵襲性インフルエンザ菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症・百日咳がそれぞれ1件、梅毒4件の報告がありました。 結核については毎週新たな感染者の報告がなされています。日本は、長年、結核の中蔓延国1)とされてきましたが2021年に初めて低蔓延国と位置付けられ、その後の2022年と2023年は、その罹患率はさらに低下傾向です。一方、京都府に目を向けると、その結核罹患率(人口10万人対)はわが国でも高水準であり、2023年は過去最低だった2022年の9.4人から少し増え、全国でもワースト5位の9.9人なっています2)。今年もこれまでの週当たりの平均報告数は7.6人であり、昨年の7.2人を上回るペースで報告が続いています。
結核は教科書的には抗結核薬で適切に治療をすれば治癒する疾患とされていますが、実際は、世界的に多くの罹患者がまだまだ存在し、くわえて多剤耐性結核菌の存在が公衆衛生上の大きなリスクとなっているのが現実です。WHO(世界保健機関)は2024年10月29日に「結核が感染症による死因のトップに再浮上した」と公表し、警鐘を鳴らしているところです3)。
結核は潜伏期間が長く、感染後数十年経過したのちに初めて発症する場合もあります。そして加齢や疲労、病気等で免疫力が低下すると発症するリスクが高くなります。65歳以上の方や持病のある方は早期発見のため、年に1回定期健診(胸部エックス線検査)を受けま
しょう。結核の病態・検診・公費補助等の詳細についてはこちらをご覧ください。https://www.pref.kyoto.jp/kentai/kekkaku.html
その他:
1. WHOは、結核罹患率が人ロ10万人当たり10未満の国を低まん延国、10以上100未満の国を中まん延国、そして100以上の国を高まん延国と定義しています。
2. 厚生労働省 2023年 結核登録者情報調査年報集計結果について
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001295037.pdf
3. 日本WHO協会:https://japan-who.or.jp/factsheets/factsheets_type/tuberculosis/
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
→詳細はこちらを確認ください。2024年第48週:令和6年11月25日~令和6年12月1日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.648
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第47週:令和6年11月18日~令和6年11月24日)No.647
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第47週の報告です。
手足口病はさらに減少し京都府の定点当り報告数は2.08になりましたが、警報継続基準値の2.00より上回っているため、引き続き全国とともに警報レベルとなっています。府内の保健所別では、京都市南区と山城北は警報継続基準値以下に減少しました。咽頭結膜熱の山城北の警報レベルも継続中です。眼科定点は流行性角結膜炎が4件、基幹定点はマイコプラズマ肺炎が22件報告されました。
全数報告対象の感染症は、2類:結核が5件、3類:腸管出血性大腸菌感染症が3件、4類:レジオネラ症が1件、5類:カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症・劇症型溶血性レンサ球菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、梅毒が2件、百日咳が4件報告されました。
詳細は→2024年第47週:令和6年11月18日~令和6年11月24日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.647
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第45週:令和6年11月4日~令和6年11月10日)No.645
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第45週の報告です。
京都府の手足口病の定点当り報告数は今週3.55まで減少しました。しかしながら、全国とともに警報レベルは継続しており、府内の保健所別でも先週の警報レベルの地域すべてで警報レベルが継続しています。山城北の咽頭結膜熱も警報レベルが継続中です。
眼科定点では流行性角結膜炎が6件、基幹定点ではマイコプラズマ肺炎が30件報告されています。
全数報告対象の感染症は、2類は結核が5件、3類は腸管出血性大腸菌感染症が2件、4類はデング熱が1件、5類ではカルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症の2疾患でそれぞれ3件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症・梅毒・百日咳の3疾患でそれぞれ1件の報告がありました。
侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因となる肺炎球菌は乳幼児が高頻度に鼻咽頭に保菌しており、小児や成人に中耳炎や副鼻腔炎、肺炎などを引き起こします。菌が血液・髄液などの無菌部位に侵入し菌血症や髄膜炎などを引き起こすとIPDと診断され、患者の7割近くが65歳以上の方ですが、小児(特に0歳児)でもリスクが高い疾患です。IPDはワクチン接種により4割程度予防することができます。ワクチンは主に65歳の方への定期接種(公費負担あり)で用いられる23 価ワクチンと主に小児の定期接種で用いられる20価/15価ワクチンがあります。20価/15価ワクチンは標準的には生後2か月から計4回接種することで、終生免疫が獲得できるとされています。65歳以上の方も20価/15価ワクチンを接種できますが、現時点では全額自己負担です。23 価ワクチンはリスクの高い方は5年ごとの追加接種を行う場合もあります(2回目以降は全額自己負担)。詳細についてはかかりつけ医にご相談下さい。
ワクチンについてより詳細な情報が欲しい場合はこちらもご参照ください。
▶一般の方:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001086212.pdf
▶医療関係の方:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023年3月24日) (jrs.or.jp)
https://www.jrs.or.jp/activities/guidelines/file/haien_kangae2023.pdf
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/
詳細は、下記のファイルをご覧ください。
2024年第45週:令和6年11月4日~令和6年11月10日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.645
京都府感染症情報センターからの情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第44週:令和6年10月28日~令和6年11月3日)No.644
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第44週の報告です。今週も手足口病は全国・京都府で警報レベルが継続、保健所別では先週の警報レベルの地域は京都市上京区を除き今週も継続しています。山城北の咽頭結膜熱も警報レベルが継続しています。眼科定点の流行性角結膜炎は8件、基幹定点のマイコプラズマ肺炎は21件の報告がありました。
全数報告対象の感染症は、2類は結核が10件、3類は腸管出血性大腸菌感染症が1件、4類は日本紅斑熱が1件とレジオネラ症が2件、5類はカルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症・水痘(入院例)・麻しんが各1件と百日咳が2件報告されました。
詳細は、下記のファイルをご覧ください。
2024年第44週:令和6年10月28日~令和6年11月3日、京都府感染症情報センターからのコメント、No.644
京都府感染症情報センターからの最新情報
今月よりファイルを添付します。
感染症のグラフやコメントが多く記入されています。
京都府の動向を確認したい場合は、下記リンクを確認ください。
京都府感染症情報センターからの最新情報
京都府感染症情報センターからの最新情報
(2024年第42週:令和6年10月14日~令和6年10月20日)No.642
京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生 今週のコメント:2024年第42週の報告です。
41週に一度増加した手足口病ですが、今週また減少に転じましたが、全国・京都府の警報レベルはどちらも継続しています。保健所別では、先週の警報レベルの地域でそのまま警報レベルが続いています。山城北の咽頭結膜熱は定点当り3.20件から1.89件まで減少、しかし警報レベルは今週も継続しています。眼科定点は流行性角結膜炎が4件、基幹定点はマイコプラズマ肺炎が今週も28件と高い数値の報告がありました。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症が5件、レジオネラ症が2件報告されました。カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症と百日咳が各2件、梅毒が1件報告されました。
百日咳の報告が続いています。府内の年間報告数は現時点で34例であり、年間報告数が1桁台前半であった2021年から2023年に比して増加しています。同様の傾向は全国的にみられ、米国でも本年は感染拡大がみられ、コロナ禍前の水準に戻りつつあるとアメリカ疾病予防管理センター(CDC)は警告しています。
百日咳はけいれん性の咳発作を特徴とする気道感染症であり、抗菌薬で治療しますが、1歳以下の乳児、特に生後6カ月以下では死に至る危険性も高い病気です。ワクチン接種によって発生数は激減していますが、ワクチンの効果は経年的に低下し、病原菌への再暴露(ブースター効果)が無ければ免疫が減衰し、既接種者でも感染することがあります。ワクチン既接種者が発症した場合、典型的な症状を呈さず、持続する咳のみのことも多く、気づかないうちに周囲に二次感染させる可能性があります。特に乳児に接する機会の多い方や出産予定の方は、咳が続く際は早めの医療機関の受診をお願いします。
京都府感染症情報センターホームページのアドレス:http://www.pref.kyoto.jp/idsc/