京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第5週:1月29日~2月4日) No.297

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

インフルエンザの報告数は今週さらに増加し、定点あたり48.58件となっています。先週に引き続き、府内の全地域で警報レベルとなっています。京都市内でも北区以外の全地域で警報レベルとなっています。これで患者数は4週連続して増加しており、全国的にも爆発的な流行が広がっています。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は4.36件と横ばいです。

全数報告対象の感染症は結核が5件、レジオネラ症が3件、アメーバ赤痢・カルバペネム耐性腸内細菌感染症・後天性免疫不全症候群・侵襲性髄膜炎菌感染症・梅毒が各1件づつ、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、百日咳が2件報告されました。

また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が5件、眼科定点から流行性角結膜炎が9件報告されました。

インフルエンザが大流行していますが、ノロウイルスの感染にも注意が必要です。毎年1万人以上の食中毒の原因となるノロウイルス感染症は秋から冬にかけて流行し、感染力が強いことで知られています。ノロウイルスは感染者の便や嘔吐物、あるいは感染者が触れた食品を摂取することにより感染する経口感染の形式で発症します。感染後1、2日の潜伏期間を経て下痢、嘔吐、発熱、関節痛、頭痛などの症状を引き起こします。現在のところ、有効な抗ウイルス薬やワクチンはなく、対処療法が中心となります。

感染力が非常に強いため、嘔吐物や便の処理をする際はウイルスを含んだほこりが舞わないように注意し、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤などに含まれます)で消毒するようにしてください。食事は加熱してとるようにしましょう。免疫力が低下していると感染しやすくなりますので、体調維持に留意してください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第4週:平成30年1月22日~28日) No.296

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

インフルエンザの報告数は今週また増加し、定点あたり44.51件となっています。先週に引き続き、府内の全地域で警報レベルとなっており、乙訓では定点あたり65.86件、南丹では62.11件と猛威をふるっています。京都市内でも北区以外の全地域で警報レベルとなっています。先週に比べて定点当たりの報告数の増加速度は減速していますが、大流行中です。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は4.88件と横ばいです。京都市左京区では警報レベルが持続しています。

全数報告対象の感染症は結核が4件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、侵襲性肺炎菌感染症が2件 報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が3件、眼科定点から流行性角結膜炎が3件報告されました。

インフルエンザに対してはウイルス増殖を抑制する有効な治療薬があります。オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、ペラミビル(ラピアクタ)の4種類が現在使用可能となっています。これらは内服、吸入、点滴と投与方法が異なる以外に、投与期間も違います。タミフルは異常行動の報告があるため、10代の患者には基本的に投与されません。また、リレンザやイナビルはうまく吸入できないと効果が出ないため、小児や高齢者では注意が必要です。国立感染症研究所と全国地方衛生研究所が共同で行っている耐性株スクリーニングでは、A(H1N1)pdm09の943株のうち1.0%でオセルタミビル、ベラミビル耐性株が検出されました。これらの結果から、どの治療薬でも効果は得られることが期待されますので、状態にあった治療薬で治療を行ってください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第3週:平成30年1月15日~21日) No.295

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

インフルエンザの報告数は今週急増し、定点あたり43.67件と警報レベルに入りました。南丹の57.89件を筆頭に府内全地域で定点あたり30件の警報レベルを超えています。京都市内でも北区と下京区を除くすべての区で警報レベルとなっています。地区を問わず感染が拡大していますので、予防を心がけてください。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は5.10件と横ばいです。京都市左京区では警報レベルが持続しています。

全数報告対象の感染症は結核が7件、レジオネラ症が1件、アメーバ赤痢・カルバペネム耐性腸内細菌感染症・急性脳炎・劇症型溶血性レンサ球菌感染症・梅毒と百日咳がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が6件報告されました。

第3週に入り、インフルエンザが全国的に大流行しています。感染者数は全国で第2週と比べて100万人以上増加し、京都府内の学級閉鎖数も延べ300件を超えています。ワクチンを接種した方も感染するリスクはあります。手洗い、うがいを徹底してください。また、ワクチン接種を行った場合、発熱などの症状が出にくいことがあります。

周囲にインフルエンザに感染した方がおられ、関節痛や呼吸器症状などが出た場合は早めに受診し検査をうけるようにしてください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2018年第2週:平成30年1月8日~14日) No.294

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

インフルエンザの報告数は今週また増加し、定点あたり22.32件となっています。先週に引き続き、中丹西、南丹、山城南で警報レベルとなっており、丹後、中丹東、乙訓、山城北では注意報レベルとなっています。京都市内では南区で警報レベルとなっているほか、北区と東山区を除く全地域で注意報レベルとなっています。地区を問わず、感染が拡大していますので予防を心がけてください。

感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.71件と横ばいです。京都市左京区では警報レベルが持続しています。流行は完全に収束はしていませんのでご注意ください。中丹西で出血性結膜炎の報告がありました。

全数報告対象の感染症は結核が12件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症と百日咳がそれぞれ1件、後天性免疫不全症候群が2件、侵襲性肺炎菌感染症が5件報告されました。

また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から急性出血性結膜炎が1件、流行性角結膜炎が2件報告されました。

全国的にインフルエンザの報告数が急増しています。西日本を中心に感染が拡大していますが1月下旬から2月にかけて感染のピークを迎えることが予想されています。2017年第49週~2018年第1週までに検出されたウイルスの状況をみると、AH1pdm09が最も多く、次いでB型、AH3型の順でした。インフルエンザは飛沫感染、接触感染で伝播します。飛沫感染対策としての咳エチケット(咳が出ている人がマスクをする)、接触感染対策としての手洗い等を徹底してください。また、高齢者や持病で治療中の方は重症化のリスクが高くなります。医療・福祉施設へ訪問する際は症状が疑われる方は自粛してください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント
(2018年第1週:平成30年1月1日~7日)
No.293

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

インフルエンザの報告数は府全体では定点あたり13.82件とやや低下しました。しかし、山城南で定点あたり51.20件と大きく増加したことをはじめ、中丹西で24.20件、南丹で20.67件と増加しています。そのほか乙訓で11.71件、山城北で24.06件、丹後で14.67件と注意報レベルとなっています。京都市内でも南区、東山区、上京区で注意報レベルとなっています。

感染性胃腸炎は定点あたり2.17件とやや減少しました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

全数報告対象の感染症は、結核が3件、侵襲性髄膜炎菌感染症と侵襲性肺炎菌感染症がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が2件報告されました。

年が明けてややインフルエンザの報告数が減っていますが、地域によっては警報レベルが持続する、あるいは増加しているところもありますので、引き続き感染予防につとめてください。

また、マイコプラズマ肺炎やRSウイルス感染症など他の呼吸器疾患も増加する季節ですので、咳エチケットとともに、体調不良を自覚した際は医療機関を受診するようにしてください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第52週:12月25~31日) No.292

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

今週に入り府内でインフルエンザの流行がさらに拡大し、警報レベルとなっている地域がでてきています。山城南で定点あたり34.60件と警報レベルとなったことをはじめ、中丹西で19.80件、南丹で15.00件、乙訓で25.14件、山城北で26.29件と注意報レベルとなっています。京都市内でも西京区、南区、伏見区、東山区、山科区で注意報レベルとなっています。府下全体では定点当たり14.81件となっています。今後さらなる拡大が予想されます。各自予防対策につとめてください。

外出後の手洗いの励行、体調の悪いときは人混みを避け、マスクを着用してください。症状のある人は、他人にうつさないよう咳エチケットを守ってください。室内では室温の調節とともに、加湿器などを用いて湿度を50-60%に保つようにしましょう。過労や睡眠不足を避け、十分な栄養をとって免疫力を保つようにしてください。

感染性胃腸炎は定点あたり6.14件とやや減少しました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

全数報告対象の感染症は、結核が10件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症が1件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が5件、眼科定点から流行性角結膜炎が4件報告されました。

 

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第51週:12月18~24日) No.291

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

今週はインフルエンザの定点報告数が感染性胃腸炎を超え、最多となりました。インフルエンザは定点当たり9.01件と急増し、乙訓では15.14件、山城北で15.94件、山城南で13.40件と注意報レベルとなっています。また、京都市内でも山科区で13.29件、南区で15.40件、伏見区で12.27件と注意報レベルとなっています。

感染性胃腸炎は定点あたり6.92件とやや減少しましたが、京都市左京区で定点当たり19.50件と先週に続き警報レベルとなっています。A群溶血レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

全数報告対象の感染症は、結核が14件、レプトスピラ症 が 1件、カルバベネム耐性腸内細菌感染症と後天性免疫不全症候群がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が3件、眼科定点から流行性角結膜炎が 9件 報告されました。

インフルエンザウイルスに対して、全国の地方衛生研究所と国立感染症研究所ではオセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ペラミビル(ラピアクタ)、ラニナビル(イナビル)に対する薬剤耐性サーベイランスを実施しています。2017/2018シーズンに分離、検出されたインフルエンザ株における耐性はA(H1N1)型においてオセルタミビル、ペラミビルが1.5%検出されたのみでした。実臨床においてはほとんど影響がないレベルと考えられます。インフルエンザが疑われる症状が出た際はすぐに医療機関で検査を行い、適切な治療をうけてください。

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第50週:12月11~17日) No.290

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

今週も、感染性胃腸炎とインフルエンザの報告数が増加しています。

感染性胃腸炎は定点あたり8.62件となり、京都市左京区では定点当たり36.75件と先週からさらに増加して警報レベルとなっています。インフルエンザは定点当たり4.97件と増加し、乙訓では17.29件と注意報レベルとなっています。

A群溶血レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

全数報告対象の感染症は結核が10件、急性脳炎・侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件 報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が2件、眼科定点から流行性角結膜炎が7件報告されました。

今週、府内ではじめてインフルエンザが注意報レベルに達する地域がでました。例年1月に警報レベルとなることが多く、今後感染の拡大が予想されます。

今週、学級閉鎖が乙訓、山城北、南丹で15件出ています。人混みへの外出の機会が増える時期かと思いますので、引き続き、手洗い・マスク等の予防行動を励行してください。高齢者が感染すると重症化する危険がありますので、訪問などされる際は症状がないか確認し、疑わしい場合は自粛しましょう。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント(2017年第49週:12月4~10日) No.289

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は今週も引き続き増加し、定点あたり7.59件となっています。京都市左京区では定点当たり34.25件と先週に続き警報レベルとなっています。

インフルエンザの報告が定点あたり2.02件となり、流行期になりました。流行期に入る時期は例年とほぼ変わりません。地域別では乙訓の5.71件を筆頭に中丹東を除く全地域で流行レベルを超えています。

今週から京都府においてもインフルエンザの流行期に入り、今後ますます発生数の増加が予想されます。感染の広がりを防ぐため、外出後は手洗い、うがいを行いましょう。外出時はマスクを着用し、室内では加湿器を用いるなどして適切な湿度を保ってください。

全数報告対象の感染症は結核が19件、アメーバ赤痢が1件報告されました。また、眼科定点から流行性角結膜炎が10件報告されました。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

気温の低下にともない呼吸器疾患、感染性胃腸炎ともにリスクが増加しますので、過労や睡眠不足をさけて十分な休養をとるように心がけてください。

 

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京都府感染症情報センターからの情報

京都府感染症情報センターからのコメント

(2017年第48週:11月27日~12月3日) No.288

京都小児重症患者診療情報システム管理部 長村敏生

 

感染性胃腸炎は定点あたり6.51件と今週も増加しています。京都市左京区では定点当たり20.00件と警報レベルとなっています。A群溶血レンサ球菌咽頭炎、手足口病、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎、ヘルパンギーナの発生数は大きく変化はありません。

インフルエンザの報告が定点あたり0.96件ありました。まだ流行レベルには至りませんが、全国各地、京都市では既に流行の指標となる定点あたり1件を超えています。全国的にインフルエンザの流行期に入っています。最大の予防は手洗いなどを日々徹底することです。自分の身を守るとともに、せきやくしゃみがでるときはマスクをして咳エチケットに留意しましょう。

全数報告対象の感染症は結核が25件、レジオネラ症が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症とバンコマイシン耐性腸球菌感染症がそれぞれ1件報告されました。また、基幹定点からマイコプラズマ肺炎が1件、眼科定点から流行性角結膜炎が6件報告されました。

 

 

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